今年の5月第3日曜日(5月21日)に実施された前橋市の中心商店街通行量調査によると、歩行者と二輪車を合わせた日中(午前10時から午後6時)の通行量は、2年前に比べ864人増加し4万1919人になり、1994年の16万0624人から続いていた減少に歯止めが掛かったとのことです。
最も通行量が多かったのが銀座通りのロッテリア前で4516人。2004年の前回調査で1位の銀座通リマルエ酒店前は2747人減って3890人だったそうです。
減少に歯止めがかかったことは慶賀にたえませんが、観測地点は28ヶ所あるそうなので、1ヶ所平均1497.1人の通行量で、増加したのは1カ所平均30.9人です。時間当たりの通行量は187.1人ということになります。
コンビニエンスストアのセブンーイレブンの1日当たり平均来店客数が986人ですから、観測地点となった28ヶ所の中には、この数字を下回ったところもあったかもしれません。もっともセブンーイレブンの方は24時間営業ですから、同断に比較はできませんが。
(カインズスーパーセンター前橋吉岡店は週末1万人以上の買い物客があるといわれます。また今年秋オープン予定のイオン高崎ショッピングセンターの週末買い物客予想は平日で2万人のようです。来年4月開業見込みの、けやきウォーク前橋の人出も万単位でしょう)
前橋市に限らず中心商店街の落ち込みが言われるようになってすでに何年も経過しています。その間殆どの商店街が復活の決定打がないまま今日に至っています。中にはシャッター通リと化した商店街も出てきています。
モータリゼーション(群馬では一人1台へ向けてのモータリゼーションでした)の普及を背景として、1980年代に本格化した郊外への出店は、大店法が大点立地法に切り替わった2000年以後には複数の店舗が集合するショッピングセンターの相次ぐ進出となり、これに比例して中心商店街の衰退に拍車がかかりました。
行政を絡めて、中心商店街復活への努力は今日も続いていますが、人出を取り戻した中心商店街は全国でも少数でしょう。
前橋市の場合、中心商店街の低迷の原因として、駐車場が少ないといったアクセスの悪さなどが指摘されていましたが、こういった問題はすでに解消されているように思います。しかし中心商店街に昔のような客足が戻ったかといえば、道のり遥かの状況です。
駐車場が少なかったころから、初市や前橋七夕祭り、前橋祭りといったイベント時には、中心商店街にもたくさんの人出あります。
このギャップは一体何かを探求することが、中心商店街再生の早道と言えないでしょうか?
身もふたもない言い方をすれば、いまどき中心商店街に行かなくても用が足りるのです。やっぱり中心商店街のあの店でなければ、と思わせる店が少ないのです。
1970年代までは中心商店街に行かなければ欲しいものが手に入らなかったので、多くの人が中心商店街に行ったのです。
1980年代になって郊外型のスーパーや専門店が徐々に増えるに従い、中心商店街に行かなくても手に入るものが増えてきます。
中心商店街低迷の本質はそこにあることを明確にしなければ、どんな方策を弄しようと限界が出てきてしまいます。
各種のイベントを中心商店街で開催することは、私も賛成ですし、大変結構なことだと思います。しかしイベントはカンフル注射の役割しか果たしません。イベントを行わなくなったら人出は途切れます。
前橋市の中心地にマンションが建設され、街中人口の増加が期待されますが、街中人口が増えれば、中心商店街の売上が増えると単純に考えることが出来るでしょうか?
最寄品である食料品、日用品などでは確かに効果が出るでしょうが、ファッションなどの買回り品はそうはいかないのではないでしょうか?
中心地市街地のマンションを購入できる人たちは、比較的所得が高いものと考えられます。高所得者の買い物行動は半径が広いと言われています(前橋市中心商店街に唯一残ったデパートであるスズラン百貨店さんには大いなるプラス要因でしょうが)。
中心商店街を活性化させるといった場合、重要なポイントがあると思います。それは、従来から中心商店街で商売をやっている人が儲かることを第一のプライオリティ(優先順位)するのか、それとも中心商店街に買い物客を取り戻すことを第一のプライオリティにするのか、です。
もちろんこれを両立させることが最善であることは承知しています。しかしこの問題が明確になっていないため、中心商店街の再生策が中途半端になってしまう原因でもあるような気がしてなりません。
ひたすら中心商店街に買い物客を取り戻すことを第一にするなら、もっとも手っ取り早い方法は、中心商店街をひとつのショッピングセンターとして考え、ひとつの運営方針のもと、集客力のある店舗を揃え、各店舗がその方針に従うことです。
極端な言い方をすれば、例えば、中心商店街が「前橋プレミアムアウトレット」になってしまうことです。
あるいは東京など都市圏で人気の店を商店街テナントとしてどんどん誘致することです。
家具の「francfranc」、雑貨の「Afternoon Tea」、自然派コスメの「Lush」、雑貨・家具などの「良品計画」アイスクリームの「コールド・ストーン・クリーマリー」などの人気店を100店舗以上揃えるのです(もちろんこういった有名店だけでなくてもいいのですが)。
前橋名物に豚肉料理が決定したそうですから、池袋東口で上州豚を使って人気店となっている豚肉料理専門店の「とんちゃらり」も候補になるでしょう(個人的にはスペアリブ料理で有名な「トニー・ローマ」も呼んで欲しいものです)。
デベロッパー型の運営ですから、集客力の弱い(売上の上がらない)店舗は退店させられる可能性も出てきます。
以上の意見が暴論であるのは分かっています。今後も行政は人の集まる施設を中心商店街に作る努力は続けていくでしょうし、そうするべきだと思います。
しかし、中心商店街の本当の復活のポイントは、魅力のある店舗の集積をどう作るか、それが最大のテーマだということを忘れてはならないように思います。
(中心商店街からの情報発信が少なすぎます。「KURACHIKA」に行かなくても吉田カバン(吉の上は「土」です)の品物が前橋中央通リの店で手に入ります。年4回ぐらい商店街全体の売り出し広告を折込み配布したらどうでしょう?私が見そびれたのかもしれませんが、中心商店街が共同でやる売り出しの折込広告を見たことがありません。)
(写真は平成18年8月27日午後1時半の前橋中心街、中央通リ。近くの千代田町中央駐車場では第2回になる「前橋ストリートフェスティバル」が行われていました。2枚目の写真です。丁度出し物がお休み中でした。)
(「イオン高崎ショッピングセンター」や「けやきウォーク前橋」との違いをどう出すか、真価が問われています。)
【中心商店街振興策に取り組む前橋市から軽井沢町までの直線距離≒26マイル≒42km】
最近のコメント