2006年8月31日 (木)

フリーペーパー「月刊ぷらざ」休刊す

群馬県県央地域を主な対象にして発行されてきたフリーペーパー(無料誌)の「月刊ぷらざ」は最新号の9月号の誌面で、「全面リニューアルのため、休刊させていただく」と告知している。

「月刊ぷらざ」はフリーペーパーのさきがけとして知られており、最新の9月号で通巻192号になる(16年間発行してきてことになる)。

「一新した誌面でまた皆様とお会いできることを楽しみにしております」と書いてあるものの、具体的な復刊時期に関しては言及していない。

雑誌業界では、休刊=廃刊というのが常識的な受け止め方とされているから、もしかしたら「また皆様にお会いできる」ことはないかもしれない。

意地の悪い言い方になってしまったが、現下の群馬県県央部のフリーペーパーの乱立やインターネットの群馬県専門ポータルサイトのひしめきを考えると、復刊にはひとかたならない努力が必要なものと思われるからだ。競合の激化の中で、休刊が長期にわたるようなことになれば、再起は困難と考えるのが自然のような気がする。

Img_1123 群馬県県央地区には宅配型のフリーペーパーだけでも「月刊ぷらざ」を始め「月刊パリッシュ」、「月刊Vien(ヴィアン)」、と3誌が競合していた。3誌とタイプが違うが「広告新聞」もある。

これに、コンビニや人の集まる場所に置く、配置型のフリーペーパー「Moteco(モテコ)」、「TJ(てぃーじぇい)があり、さらに新聞折込型の「Deli-J(でりじぇい!)」がある。

インターネットの群馬県専門ポータルサイトには「D@n-b(だんべ~)」、「GAM(ガム)!」を筆頭にして、それこそ枚挙に暇がない数のポータルサイトがある。

インターネットではヤフーなどのポータルサイトも地域情報に力を入れているし、「ぐるなび」などの群馬県版の存在もある。

これに大手新聞社系の折込み週刊フリーペーパーが加わる。リクルートなどの地域攻勢もある。

有料タウン誌にも「遊とぴあ」があり、今年になって「raifu」が参入している。

すでに百花繚乱、百家争鳴の状態である。こうした雑誌・メディアの広告主は飲食店、美容院・エステ関連、健康食品などのH&B関連、住宅・不動産関連、冠婚葬祭業が殆どで、この分野で各誌・紙、ポータルが活発な広告獲得合戦を展開している。

電通によれば2005年の日本全国の総広告費は5兆9625億円である。何事によらず、全国における群馬県のウェイトは全国の合計数値に1.5%をかけると実際に近い数字が得られる。

それを応用すると群馬県の2005年の総広告費は894億円になる。

また総広告費はGDPの1%、と昔から言われているから、群馬県の実質県民総生産が約8兆円であることからすると、群馬県の総広告費は800億円との数字が得られる。

中をとって、2005年の群馬県の総広告費は850億円くらいになるのではなかろうか。

もちろんこの850億円はメディア(媒体)に対するものばかりではなく、DMや折込み、POP、屋外や交通広告費などのSP(販売促進費)も含まれている。大手テレビ局や大手新聞や雑誌などへの出稿分も含まれるから、地元のメディアに落ちる広告費は850億円よりずっと少なくなるだろう。

それに、地域密着の飲食店はともかく、中小小売店がインターネット通販をやろうと思ったら、地域メディア(ポータル)より中央のメディア、特に楽天やヤフーの仮想商店街等に出店するだろう。

フリーペーパーが主な広告主として狙う業界の動きを見ると、飲食店、喫茶店などの「食品営業関係営業施設数」は平成10年度末が6万1336ヶ所、15年度末が6万1174ヶ所で殆ど伸びず一進一退の状態。

同じくホテル、旅館、理容所、美容所、クリーニング所などの「生活衛生関係営業施設数」も平成12年度末の1万2215ヶ所に対し15年度末が1万2309ヶ所と頭打ち状態である(ただ、美容所は3978ヶ所から4162ヶ所と大幅な伸び)。

競合激化の中で、対象業界の成長が頭打ちとなれば、待っているのは「自然淘汰」の厳しい現実なのかもしれない。これは何もフリーペーパー業界にとどまらないのは言うまでもない。

成熟した日本経済が、少子高齢化していくとき、この動きには、さらに拍車が掛かるだろう。

【「月刊ぷらざ」が発行されていた前橋市から軽井沢町までの直線距離≒26マイル≒42km】

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2006年7月13日 (木)

フラット化を楽しむしかないか?

ここ数日体調が良くないので、本を読むくらいが精一杯(年取って代謝機能が低下しているのに、不摂生が続いたための自業自得)。

そこで未読のままだった、話題の『フラット化する世界 経済の大転換と人間の未来』(上・下巻、トーマス・フリードマン著 伏見威蕃訳 日本経済新聞社)を読んでいます。

グローバリゼーション1.0の時代はコロンブスのアメリカ発見から1800年くらいまで。その主役は国家だった。1800年から2000年くらいがグローバリゼーション2.0の時代で、主役は企業に移った。2000年から始まったのは、グローバリゼーション3.0で、主役は個人といえるかもしれない、と言っています。2.0と3.0の様相が違いすぎて、単なる「グローバリゼーション」のレベルではなくなり、この言葉だけでは把握できなくっているとの認識から、「フラット化」が本のタイトルに入ったのだと思います。

世界のサイズは1.0の時代がLとすれば、2.0の時代はM。そして3.0の時代はSくらいに縮まっていると言います(実感します)。

フラット化の要因は、ベルリンの壁の崩壊に象徴される「東側」の自由経済化とインターネット・Web技術の高度で急速な発達と指摘しています。

フラット化は国家間だけでなく、企業と個人間でも起こっていると豊富な事例を上げています。なかなか刺激的な本です。読んでいると、オッこれは使えそうと思える話が満載です。是非一読を。

(最近はWeb2.0関連の本を多く読んでいましたので、この本に出てくるWeb関係の話をなんとか理解できました。梅田望夫氏以後では、『Web2.0でビジネスが変わる』(ソフトバンク新書)、『ヤバいぜっ!デジタル日本』(集英社新書)、『ネットがテレビを飲み込む日』(洋泉社)なども面白かったです。)

ITにおけるインドの台頭、ものづくりにおける中国の存在に関しても詳しく書かれていますが、面白い諺が紹介されていますので、ここに引用させていただきます。

これは、中国がWTO(世界貿易機関)に正式加盟した2001年12月11日の数日後、アメリカで教育を受けた中国人工場長が、米国資本の工場に掲示したものだそうです(もとはアフリカの諺だそうです)。

アフリカで毎朝、シマウマが目を覚ます。

一番足の速いライオンよりも速く走らないと殺されることを、シマウマは知っている。

毎朝ライオンが目を覚ます。

一番足の遅いシマウマに追いつけないと飢え死にすることを、ライオンは知っている。

ライオンであろうとシマウマであろうと変わりはない。

日が昇ったら、走り始めたほうがいい。

なかなかでしょう?ある労働問題評論家が言っていました。昔は両手で皿回しをやるくらいの忙しさだけど、今の忙しさは、両手両足で皿回しをしているような時代になった、って。『オールウェイズ 三丁目の夕日』の時代には、もう戻れないんですね。

【痛風患者がいる前橋市から軽井沢までの直線距離≒26マイル≒42km】

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朝のJR新前橋駅からの風景。酒肴久松はここから歩いて5分です。

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