「旧官営富岡製糸場」の北東一帯も「世界遺産」に登録したいと考えた
もう夕方でしたが、せっかく富岡市に来たのだから、今年1月世界遺産の暫定リストに登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」の中核施設である旧官営富岡製糸場でも見学しようと思ってふらふらと中心市街地を歩いてみました。
(富岡製糸場は街中になります)
富岡市の街中を歩いたのは初めてのこと。前橋市に住んでいるにもかかわらず、富岡製糸場を見たのは歴史の教科書等だけで、実は現物をこの年まで見たことが無かったんです。
街中を通るメインストリートは、もちろんクルマで何度も通過しています。
しかし、クルマを降りて街中をてくてく歩いたのは初体験。
しかしまあ、街というのは歩いてみて初めて分かるものだと痛感しましたね。
富岡製糸場そのものは「本日の営業は終了」になっていて入れずに終わりましたが、それを補って余りある風景に出会ったんです。
メインストリートをクルマで走っての印象は、全国に良くある、シャッターの降りた商店があっちこっちにある中心市街地が衰退した地方都市。
富岡製糸場周辺、特にその東側から北東に掛けての一帯は、ワタクシのように古い人間には実に懐かしい風景で、こんなところが残っていたんだ、と感激してしまいました。
閉めている店も多く、建物はひどく老朽化しているのですが、クルマ1台がようやく通れるような狭い道を挟んで、料亭、割烹、鰻屋、鮨屋、小料理屋、大衆食堂、居酒屋、スナック、質屋などがワシワシひしめいているんです。
それは富岡製糸場から盛んに煙が昇っていた頃の隆盛を忍ばせるに充分です。
富岡製糸場で働いていた職工さんや女工さんが大勢通ったであろう居酒屋や大衆食堂。
富岡製糸場に来た人たちを接待したであろう料亭や割烹。
そして二次会三次会のためのスナックやバー。
そうした店が、集積しているんです。
行った時間が夕方と言うこともあって、往時の賑わいが聞こえてきそうな感じです。
高度経済成長前夜の昭和30年代のにおいが立ち上ってくるんです。
(現実は閑散としていたんですが・・・)
富岡の名物七味唐辛子の「吉田七味店」もシューマイの「信州屋」もこの中にあります。
この一帯を保存すれば、映画のロケーションに使われること間違い無し、と思いました。
昭和30年代の地方の歓楽街のテイストが濃厚に沁みこんだ風景なんです。
「イオンモール高崎」も「けやきウォーク前橋」嫌いではありませんが、オジサンであるワタクシにはどうもぴかぴかし過ぎています。
「陰の部分」が無い街は、変な言い方ですが「人工的」過ぎるんです。
感激の余り、富岡製糸場の北東一帯の歓楽街も「富岡製糸場と絹産業遺産群」と一緒に世界遺産にしてもらいたいものだと思ってしまいました。
懐かしいだけでなく、「つわものどもが夢の跡」、今あるままの姿も、寂れようがなんとも「もののあわれ」、「諸行無常」、「崩壊感覚」なんです。
是非行って見て下さい。
近いのに、「遠い旅」ができます。
【富岡製糸場北東一帯に昭和30年代テイスト濃厚な歓楽街が広がる富岡市から軽井沢町までの直線距離≒18マイル≒29km】
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コメント
意外や意外、智空さんが富岡製紙場に行ったことがなかったとは! まあ、私も数えるほどしか足を運んだことがありませんでしたが。
富岡製紙場の一帯、写真を見て懐かしさがこみ上げてきました。確かに、智空さんおっしゃるとおり、昭和の風情が色濃く残っていて、前橋や高崎、伊勢崎などとまたちょっと異なった趣の街並みでした。確か伊豆のどこかだと思いますが、目下、滞在型リゾートとして「昭和村」(群馬県の昭和村ではありません)みたいなものが建設中と聞きますけれども、富岡なら労せず、現状を維持してブラッシュアップすれば、昭和村になりますよね。
少しだけ自慢ですけれども、群馬在任中、県が「富岡製紙場を世界遺産に」と言い始めた頃、多くのマスコミは眉唾であまり取材も熱心ではなかったのですけれども、個人的に「どうすれば上州の名が売れるのか」に関心があった私は、県の担当部局や東京での片倉との会合などにも顔を出して、ちょっとずつ世界遺産の勉強をしていました。
片倉が市に売却してもいいよ、という意向を示している、というプチ特ダネなどを、おかげさまで書くことが出来、「女工ゆうまちゃん」を生で見ることもかないました(笑)。
富岡製紙場というと、「女工哀史」か、と思っていたのですが、あれは長野の話だそうで、県などによると、富岡の女工さんたちは比較的良家の子女がそろっていたそうです。考えてみれば、当時の最先端、今で言うIT産業みたいなもんなのでしょうから、製紙場周辺の街が大いに賑わったであろうことは想像に難くありません。
石見銀山に産業遺産で先を越されたので、「早ければ2010年の登録」の目標は修正を迫られているのかもしれませんけれども、いつの日にか「世界の富岡」になるのを期待しています。
そうそう、最寄りの駅は上州富岡ですよね。上信電鉄も味わい深く、時間があれば、ぜひ、のんびり電車で出かけてみたい街です。
投稿: 赤犬 | 2007年10月 5日 (金) 01時01分
>赤犬様
さすが慧眼の赤犬様、目の付け所が違う。「勝手に下仁田町再生計画」を書くため、下仁田町には随分行ったのですが、富岡市は素通リしておりました。
「富岡製糸場」は「富岡製糸場」として、その周辺の繁華街にものすごく魅力を感じます。
富岡製糸場の繁栄と養蚕こんにゃく景気で、「物語に溢れた街」だったに違いないと思います。
投稿: 智空弘円 | 2007年10月 8日 (月) 12時45分