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2006年7月 8日 (土)

勝手に下仁田町再生計画その2

こんにゃくいもの生産量は、同じ群馬県の利根郡昭和村にトップの座を奪われたとはいえ、こんにゃくと言えば昭和村より先に下仁田町の名が思い浮かびます(この点において、上毛かるたの貢献度は高い)。

前回は、その売り物のこんにゃく離れのススメを提案しました。こんにゃくへのこだわりが逆に町の発展を妨げているとも書きました。少なくとも食に関して言うと、強く私はそう思っています。

中学生くらいまでの子供を連れた家族が、こんにゃくをメインにした料理を食べに飲食店に入りたいと思うでしょうか?子供連れの決定権は子供が持ちます。こんにゃくと言っても子供には「?」でしょう。

こんにゃく粉入りのパンは面白いと思います。しかし、失礼ながら「こんにゃく最中」は懲りすぎではないでしょうか?こんにゃくづくしの料理を食べても、私はハッピーな気分になりません。

素材そのものに味のないこんにゃくをメイン料理にすることに無理があるのです。

こんにゃくの刺身は好きです(ある銘柄しか食べませんが)。こんにゃくゼリーもよく食べます。以前書いたように、こんにゃくラーメンも良く買いました。

しかしこんにゃくステーキの類は一度食べればたくさんです。

煮物料理などの一つの素材として扱われるのが、こんにゃくにとってもっとも相応しい位置付けなのではないでしょうか。

こんにゃくのないおでんはどこか寂しい。正月の煮しめには、こんにゃくがないと煮しめになりません。こんにゃくが入っていない豚汁は変です。こんにゃくは、そういった脇役の存在でしょう。

食に対して人は極めて保守的です。食品としてのこんにゃくの消費拡大を図ろうと、無理をすればするほど、奇妙なものまで作り出すことになります。物珍しさから売れるかもしれませんが、その範囲を出ることはないと思います。

ならばすでにある、ほかの食材もこんにゃくと一緒に引き立てるべきです。

こんにゃくだけを前面に打ち出すよりも、ヘルシーフーズの町をうたい文句にしたほうがいいのではないでしょうか?こんにゃく、葱だけでなく、すでに

納豆(下仁田納豆)

そば(駅前のいそだ)

乳製品(神津牧場、下仁田酪農)

きのこ(椎茸)

山菜

豚肉(下仁田ミート=ルーツは下仁田町)

が知られているのですから、これを活用しない手はないと思います。これに、豆腐、味噌の人気店が出来れば、かなり面白くなると思います。

お隣になりますが、南牧村には普茶料理でも知られる黒滝山不動寺があるのですから、ここをイメージ戦略に使わせてもらったらどうでしょう?(南牧村の人が怒るかもしれませんが)。

観光客の誘致の鉄則は、そこに行かなければ楽しめないものを作り出す、ことです。その意味で「食」は最も手っ取り早い方策です。

こんにゃく入りの「下仁田カレー」や粒こんにゃくを入れた「

下仁田チャーハン」をサービスで出して、手応えがあったら 

メニューに加えるといった模索を続けることも必要だとは思います。しかしすでに一般化している食品の中から名物を作り出すほうが訴求力はあると思います。

餃子を名物にした宇都宮市。焼きそばは太田市を始め全国3市が名物にしています。ラーメンやカレーは横浜市に博物館があり活況を呈しています。

そこで、下仁田町に提案するのは、こんにゃく料理ではなく、「すき焼きのまち」として売り込んだほうがよい、ということです。「すき焼きのまち」宣言を早く出してください(すでにすき焼きを名物にしている旅館もあるようですが)。

地元の素材として、葱、しらたき(こんにゃく)、椎茸と揃っています。畜産県群馬だから、牛肉、豚肉、鶏肉は豊富です。普通のすき焼きに加え、とんすき、鳥すきの3種類を提供できるようにしたらなお結構でしょう。しゃぶしゃぶも出せるようにしておけば、言うことはありません。

1000円~1500円を出せば、旨い「すき焼き定食」が食べられるなら、下仁田町を通る営業マンたちも昼飯にこれを注文するでしょう。「すき焼き定食」にこんにゃくのたまり漬が箸休めにあり、デザートにこんにゃくゼリーが出てくるのなら、不思議ではありません。

ヘルシーフーズの町で食べる「本場の殿様葱(下仁田葱)が入ったすき焼き」(夏場はちょっときついかもしれませんが)をキャッチコピーにして、すき焼きを売り込む方が、町のイメージにとってはいいのではないかと思うのです。

(すき焼きとしゃぶしゃぶで売る株式会社木曽路の主力業態「木曽路」を参考にしたらどうだろう?)。

下仁田?下仁田に行ったらすき焼き食わなきゃ、が合言葉になる条件は整っているのです。

東京方面からの観光客の早めの昼食需要を取り込むために、土曜日曜祝日、そして学校が夏休みになる7月20日から8月31日までの間は、飲食店の営業時間を午前10時からにしてみたらどうでしょう?

下仁田ですき焼きを食べて、軽井沢に抜けるのが常道になれば、愉快ですね。

すき焼きを出すに当っては、和紙にこんにゃく糊を塗って作る「紙鍋」を復元して、これに盛って出せるようになれば最高でしょう(『こんにゃくの中の日本史』武内孝夫著、講談社現代新書を参考にしてください)。

すき焼きなら子供も喜んで食べるのではないでしょうか?

次回は名所旧跡、イベントを使った下仁田町の売り込み方について書こうと思います。

【下仁田町から軽井沢町までの直線距離≒14マイル≒22km】

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上信電鉄下仁田駅と駅近くの路地。クリックして、見てください。

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